■2日目の復習


問
BRIでデータ転送で使用できる最大帯域幅は

解
128kbps


問
ISDN Dチャンネルで使用されるレイヤ2プロトコルは
ISDN Dチャンネルで使用されるレイヤ3プロトコルは

解
レイヤ2 LAPD Q.921
レイヤ3 DSSI Q.931


問
ダイヤラプロファイルにおいてダイヤラーインターフェイスとダイヤラプールを関連付けるコマンドは

解
config)#int Dialer1
config-if)#dialer pool 0


問
物理インターフェイスとダイヤラプールを関連付けるコマンドは

解
config)#int BRI0
config-if)#dialer pool-menber 1


問

 R1 BRI0 -------------- ISDN --------------- BRI0 R2
  TEL:1111                  TEL:2222

ISDN接続をしているトポロジでR1がR2に通信できるように条件に従って設定せよ

<条件>
・ISDNスイッチタイプはNTT
・発呼のきっかけとなるトラフィックは、IPすべて
・R1のIPアドレスは10.1.1.1/24、R2のIPアドレスは10.1.1.2/24
・カプセル化はPPPとし認証はCHAPを使用、パスワードはcisco

解
R1
config)#isdn switch-type ntt
config)#access-list 101 permit ip any any
config)#dialer-list 1 protocol list 1
config)#username R2 password cisco
config)#int BRI0
config-if)#dialer-group 1
config-if)#dialer map ip 10.1.1.2 name R2 2222
config-if)#ip address 10.1.1.1 255.255.255.0
config-if)#encapsulation ppp
config-if)#ppp authentication chap

R2
config)#isdn switch-type ntt
config)#access-list 101 permit ip any any
config)#dialer-list 1 protocol list 1
config)#username R1 password cisco
config)#int BRI0
config-if)#dialer-group 1
config-if)#dialer map ip 10.1.1.1 name R1 1111
config-if)#ip address 10.1.1.2 255.255.255.0
config-if)#encapsulation ppp
config-if)#ppp authentication chap



本日はここから



■フレームリレー・サブインターフェースの設定


□マルチポイントフレームリレーのルーティングアップデート到達可能性問題

○ディスタンスベクタルーティングプロトコルのスプリットホライズンは、ルーティングループを防止するため、アップデート情報を受信したインターフェースからは同じアップデートを送信しない。
 → そこで、ハブアンドスポークトポロジのスポークルータ同士はルーティングアップデートを交換しない。

○スプリットホライズンを無効にする方法の欠点

・IPでしかスプリットホライズンを無効にできない
・スプリットホライズンを無効にするとルーティングループ発生の可能性がある。

※ フレームリレーインターフェースのデフォルト設定はスプリットホライズン無効
※ EIGRPではIPのスプリットホライズンを明示的に無効にする必要がある


□サブインターフェースの利用

○サブインターフェース毎に1つのDLCIを設定し、ハブルータとスポークルータをポイントツーポイント接続として構成する。

・各ポイントツーポイント接続はそれ自体が一つのサブネット・PVCとなる
・スポークルータは他のポイントツーポイント接続のスポークルータとルーティングアップデート情報を交換できる。

○サブインターフェースの設定

・物理インターフェースにはIPアドレスを設定しない
config-if)#no ip address

設定例)
config)#int s0
config-if)#no ip address
config-if)#encapsulation frame-relay
!
config)#int s0.2 point-to-point
config-if)#ip address 10.2.0.1 255.255.255.0
config-if)#frame-relay interface-dlci 120
!
config)#int s0.3 point-to-point
config-if)#ip address 10.3.0.1 255.255.255.0
config-if)#frame-relay interface-dlci 130
!



■トラフィックフローの制御


□関連用語

○ローカルアクセスレート
 フレームリレー網への接続速度

○認定情報速度 … CIR
 フレームリレースイッチが同意したデータ転送速度
 Tc:認定情報速度間隔期間内の平均値

○加入過多
 全VCのCIRの合計がローカルアクセスレートを超えている状態

○Bc:Committed Burst
 Tc期間中にスイッチが転送を許可するさだいビット数
 例)Tcが125msでCIRが32kbpsの場合、Bcは4000bit
   CIR = Bc/Tc

○Be:Excess burst
 CIRを超えて転送を試みる非認定の最大ビット数

○FECN
 宛先デバイスに対して輻輳を通知する

○BECN
 送信元デバイスに対して輻輳を通知する

○DEビット
 輻輳が発生したことを相手先に通知するビットフィールド


□FRTSの設定

・輻輳回避のためフレームリレーシェービングを使用する
・FRTSが設定されていると、VCの転送速度を制御したり輻輳通知に応答できるようになる

○設定手順
① マップクラスの定義
config)#map-class frame-relay <map_class_name>
     ↓
② 平均レートとピークレートの定義
config-map-class)#frame-relay tarffic-rate <avg> [<peak>] ← 速度指定をしないと56kbpsとなる
     ↓
③ 輻輳を受信したら動的に送信速度を変える
config-map-class)#frame-relay adaptive-shaping becn
     ↓
④ カスタムキュー・プライオリティキューを指定
config-map-class)#frame-relay custom-queue-list <num>
config-map-class)#frame-relay priority-group <num>
     ↓
⑤ インターフェースでフレームリレーを有効にする
config-if)#encapsulation frame-relay
     ↓
⑥ 仮想回線にマップクラスをマッピング
config-if)#frame-relay class <map _class_name>
     ↓
⑦ インターフェースでトラフィックシェービングを有効にする
config-if)#frame-relay traffic-shaping


□トラフィックシェービングのレート強制

セントラルに対してブランチが低速回線を利用している場合にそこがボトルネックとなる。セントラルサイトに<strong>トラフィックシェービングのレート強制</strong>を強制することボトルネックを回避する。

○ 平均レートとピークレートの定義を利用

設定例)ブランチが64kbpsの場合
config-map-class)#frame-relay tarffic-rate 64000 128000

※ frame-relay tarffic-rateだけで速度指定をしないと56kbpsとなる。


□FRTSの確認


○ show frame-relay pvc <num>


○ show traffic-shape



■一次回線に対するバックアップの有効化


□一次回線に障害が発生した場合にバックアップを使用する

○ バックアップインターフェースの指定 ← バックアップとして利用する回線ではなく一次回線に設定すること
config-if)#backup int <int> <num>

○ 一次回線に障害が起きてからバックアップ回線起動までの時間を指定
config-if)#backup delay <enable_time> <disable_time>

※ <enable_time>にneverを設定すると<strong>起動しない</strong>
※ <disable_time>にneverを設定すると<strong>停止しない</strong>


○ 状態確認 ← 出番まではスタンバイモードである
例)
#sh int <int> <num>
<int> <num> is <font color="#FF0000">stanby mode</font> ,  line protocol is down 


□一次回線に負荷がかかったときにバックアップを使用する

○ バックアップインターフェースの指定 ← バックアップとして利用する回線ではなく一次回線に設定すること
config-if)#backup int <int> <num>

○ 一次回線に負荷がかかってからバックアップ回線起動するまでのタイミングを指定
config-if)#backup load <enable_level> <disable_level>

※ <enable_level>にneverを設定すると<strong>起動しない</strong>
※ <disable_level>にneverを設定すると<strong>停止しない</strong>
※ 一次回線が<enable_level>に達すると起動
※ 一次回線とバックアップ回線合計が<disable_level>に達すると停止


○ 状態確認 ← 出番まではスタンバイモードである
例)
#sh int <int> <num>
kickin load 60%  ,  kickout load  20%  ← ここに着目


□ダイヤラプロファイルの利用


・ISDN BRIをバックアップとして利用すると、物理インターフェイスがスタンバイモードとなり、バックアップ以外に利用できない。
   ↓
解決策)ダイヤラプロファイルの利用

・別の接続に利用するダイヤラインターフェイス
と
・バックアップ用のダイヤラインターフェイス
とを用意する。


□EIGRPのロードシェアリング/ロードバランシング


○ バックアップ回線と一次回線でロードシェアリング/ロードバランシングを行う

config)#router eigrp 100
config-router)#variance 2
config-router)#traffic-share balanced

○ 状態確認
例)
#sh int <int> <num>

○ フローティングスタティックルート

confi)#ip route <ip_addr> <mask> <next_hop> <distance>

※ アドミニストレーティブデスタンス値より大きな<distance>にする

○ ダイヤラウォッチ

・フローティングスタティックルートの代替として利用可
・IGRP,EIGRP,OSPFのみ



■キューイング


□概要


・トラフィックの優先度を決める
・一時的に輻輳が発生する接続で効果的 → 常時輻輳が発している場合には、増速が有効


○ 種類

・FIFO :デフォルト有効:到着した順に処理
・WFQ  :デフォルト有効:小さなパケットは大きなものより優先。2Mbps以下でデフォルト有効
・CBWFQ :設定必要   :WFQ + クラス分類(COS/TOS)
・LLQ  :設定必要   :CBWFQ + PQ

・PQ  :設定必要   
・CQ  :設定必要   

・WRED :ランダム廃棄 random-detect



□WFQのメカニズム

重み = 32384/(1+優先順位)

優先順位:TOS

出力のタイミング = パケット長 × 重み



□CBWFQ

① クラスマップを設定
     ↓
② ポリシーマップでポリシーの設定
 → デフォルトクラスを設定
     ↓
③ サービスポリシーでインターフェースへの関連付け


□確認


○#sh queueing int <num>

queueing strategy: fair  ← ここに着目


○#sh policy-map int <num>

・全体でcalssにマッチしたパケット数
・輻輳時にcalssにマッチしたパケット数
・輻輳時に廃棄されたパケット数
・デフォルトクラス(明示的に作成していない)を含めたクラス数



■データ圧縮


□データ圧縮


○ ポイントツーポイント接続での圧縮の実装
・リンク圧縮 … ヘッダ部分とペイロード部分を圧縮

○ 仮想ネットワーク(ATMやフレームリレー)
・ペイロード圧縮 … ペイロード部分のみを圧縮

○ TCP/IPヘッダー圧縮
※ すでにペイロードが圧縮されていればペイロード部分の圧縮は効果がない・意味がない


□圧縮に関する考慮事項


○ モデム圧縮
・モデムで圧縮する場合、ルーターでは圧縮を無効にする

○ 暗号化データ
・暗号化されたデータはレイヤ2の圧縮アルゴリズムでは圧縮できない

○ CPUとメモリの消費
・ペイロード圧縮はリンク圧縮よりもメモリを消費する
・リンク圧縮はCPUサイクルを消費する